繊維業界から見たファッションの循環
〜日本繊維機械学会 情報交換会がKCSで開催されました〜
2024年12月3日、KISARAZU CONCEPT STORE(KCS)のFACTORY LABで、日本繊維機械学会 繊維リサイクル技術研究会による情報交換会が開催されました。
本記事では、情報交換会のレポートを通じて、繊維リサイクルの最前線や、ファッション業界が取り組むサーキュラーエコノミーの動向について紹介します。
繊維リサイクルの専門家が集う場
日本繊維機械学会の繊維リサイクル技術研究会は、メーカー、技術者、研究者が集まり、繊維廃棄物の削減や生分解性繊維の有効活用を目的に活動しています。
今回の情報交換会「KISARAZU CONCEPT STOREで衣服の循環を考える」は、第155回目の開催となり、関西を拠点とする研究会が関東で初めて開いた会合でした。そのきっかけは、文化学園大学教授・熊谷伸子氏の呼びかけによるものです。
KCSのFACTORY LABは、ファッションの循環を実験的に実現する場であり、文化学園大学もこのプロジェクトに参画。大学のファッション社会学科では、残布や不要衣類を活用したワークショップを実施しており、リサイクルに対する意識向上を図っています。
最前線の研究が語られた情報交換会
当日は、KCSの館内ツアーの後、以下の講演が行われました。
① 「ファッションニューライフ」
株式会社大丸松坂屋百貨店 田端竜也氏が登壇し、衣服のサブスクリプションサービス「アナザーアドレス」について解説しました。リアル店舗を持つ百貨店ならではの新たなビジネスモデルを提示し、持続可能な消費の可能性を探りました。
② 「バイオコークスによる循環型社会の実現」
近畿大学 バイオコークス研究所 所長・井田民男氏が、植物由来の再生可能燃料「バイオコークス」について講演。繊維廃棄物を燃料として活用することで、環境負荷を低減する新たな可能性が示されました。
③ 「KYOTO UPCYCLE BRANDの挑戦」
京都光華女子大学 宮原ゼミの学生が、繊維系廃材を利用した商品開発の取り組みを発表。京野菜を活用したシート素材の開発など、学生ならではの視点が紹介されました。
④ 「Colour Recycle System」
株式会社カラーループ 内丸もと子氏が、繊維廃材を色ごとに分類し、アップサイクルする技術を紹介。リサイクル素材のデザイン的価値を向上させる可能性を示しました。
ファッションとテクノロジーの融合
本情報交換会の最後には、参加者同士の交流会が開催され、意見交換が活発に行われました。研究者や企業関係者が一堂に会し、繊維リサイクルの未来について議論を深める貴重な場となりました。
日本繊維機械学会の委員長である京都工芸繊維大学 名誉教授・木村照夫氏は、「KCSのような場が、ファッションと技術を結びつけるハブとなることを期待しています」とコメントしました。
レポートについて詳しくは、KISARAZU CONCEPT STORE の下記の記事をご覧ください。
https://kisarazu-concept-store.com/report/report-13.html
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