廃棄される布から生まれた小物たち
エシカルファッションアイテムを紹介する新コーナー、『エシカルなとっておき』です。
エシカルファッションって?どんなことを基準に選べばいいの?など、そのアイテムの良さと一緒にお伝えします。
今回は、染色工場や製織工場、縫製工場などから出る、廃棄されるはずだった布から生まれた「NUNOUS®(ニューノス)」のコンパクトなお財布です。
廃棄される規格外品を生まれ変わらせた新素材
日本の繊維製品は非常に高品質ですが、その品質基準に満たない「規格外品」も存在します。国内だけでも、基準を満たさない規格外品は約900万平方メートル以上にも及ぶと推定されています(45cm幅の道にすると地球半周分にもなります)。
「NUNOUSⓇ(ニューノス)」は、こうした廃棄される布から生まれた全く新しい素材です。綿、麻、ウール、シルク、ポリエステルなどの布素材を、サトウキビの非可食成分由来のバイオポリマーと独自の特許製法で再生しています。
この革新的な素材を開発したのは、岡山県倉敷市にあるセイショク株式会社です。セイショク株式会社は1880年(明治13年)創業で、140年以上の歴史がある染色加工会社です。
ユニフォームやカジュアルウェアの生地の染色加工を得意としていますが、規格外品として廃棄される生地を何とか活かすことはできないかと考え、NUNOUS®の開発を始めました。当初は工場で使うパレットなどに活用しようと試みていましたが、その美しさに驚き、インテリア建材やファッション小物としても利用されるようになりました。
木目のような柄としなやかさを持つ素材
こちらは、まだ縫製されていないNUNOUS®スキンです。木目のような模様が美しいですね。布とサトウキビ由来のバイオポリマーを重ねてスライスすることで、一枚一枚微妙に異なる模様が生まれます。この独特の美しさと環境に配慮した材料と製法から、NUNOUS®スキンは店舗や企業の施設、宿泊施設などさまざまな場所で活用されています。
個性的な播州織の素材とNUNOUS®のコラボ
今回ご紹介するコンパクトウォレットは、播州織のブランド「タマキニイメ(TAMAKI NIIME)」とNUNOUS®のコラボアイテムです。一つ一つ異なる柄の生地が集まり、新しいNUNOUS®として生まれ変わりました。
この写真は、TAMAKI NIIMEのショップ兼工場のトイレです。小さなはぎれも捨てずに再生したNUNOUS®が、壁や天井に貼られており、壮観です。有限会社玉木新雌(TAMAKI NIIME)の工場は、ファクトリーというよりアトリエのようで、全体がアート作品のような施設です。見学はどなたでも可能ですので、ぜひ訪れてみてください。
写真/有限会社玉木新雌(tamaki niime)社屋トイレ NUNOUS® 公式ウェブサイトより
このウォレットは、様々な端切れを集めてスライスし、世界に一つしかない柄を生み出しています。もちろん、ひとつひとつ柄が違います。通常のNUNOUS®を作るよりも、はるかに手間と時間がかかりますが、その分、意外性のある柄や美しさが際立っています。
ウォレットの内側にはヌメ革を使用しています。ヌメ革は植物タンニンでなめされた無染色の牛革で、布から生まれたNUNOUS®と同様に、時間の経過で自然に色が変化していきます。NUNOUS®と革を合わせて縫うことで、強度も増し、長く使うことでさらに愛着が湧きそうですね。電子決済が増え、お財布を使うことが少なくなっても、こんな愛おしいお財布なら、持ち歩きたくなりますよね。
エシカルファッションにはさまざまな定義がありますが、NUNOUS®のアイテムは以下の点でエシカルファッションと言えるでしょう。
1.資源を無駄にしないものづくり
2.長く愛用できるものづくり
3.大量生産・大量廃棄につながらないものづくり
4.環境に優しい素材を使用している
などの面で、NUNOUS®のアイテムはエシカルファッションと言えるでしょう。
ご購入はNUNOUS®のオンラインストアからどうぞ。
今回ご紹介したウォレットのほかにも、カードケースなどもあり、名刺交換の際に注目を集めること間違いなしです。そこからエシカルファッションに関する話が広がるかもしれませんね。男性でも使いやすい無地シリーズや、デニムを使ったNUNOUS®のカードケースもあります。
オリジナルNUNOUS®の製作対応
自社の廃棄布を使ったオリジナルNUNOUS®の製作も対応しています。廃棄する布から新しい製品を考えている企業にとっては嬉しいサービスですね。ぜひお問い合わせください。
また、建築デザイナーやインテリア・空間デザイナーの参考になるNUNOUS®素材の導入事例も、公式ウェブサイトで数多く紹介されています。一度、NUNOUS®の公式サイトをチェックしてみてください。